そんなことが何日も続いたある日。
登校しよう……と思うと、お腹が痛くなって動けなくなった。
「今朝はどう?」
「……やっぱり痛い……休んでいい?」
「そう、仕方ないわね。本当にどうしたの?」
朝激痛が起こり、昼をすぎる頃にはましになる。
なかなか症状が改善しない私を母は色々な病院へと連れていった。
「ま、精神的なものでしょう」
小児科、内科、胃腸科、いろんな先生に診てもらい出た診断に、私は内心やっぱりそうかと納得していた。
「雛子、何かあったの?」
母は、とても繊細な人だった。
よく心労が溜まり、動けなくなる。
丸くうずくまり、苦しげに横たわるその姿はとても痛々しくみえた。
「かぁさんは、心が優しい人だから、人一倍疲れちゃうんだよ」
父にはそう説明されていた。
心配そうに問いかける母に私は何もこたえられず俯いた。
正直に眼鏡をからかわれたことを話して傷つけることが、ただとても怖かった。

