「白井くんって彼女いるの?」
「中谷さんって幼なじみってほんとう?」
高校生活が落ち着いてきた頃、あまり親しくない子たちから、そういう質問をされることがあった。
「ただの幼なじみだから、よく知らないよね。自分で聞いてみたらどうかな?」
上手く返せない私に代わって、榊さんが爽やかな笑顔でさばいてくれる。
彼女が言うと嫌味がなく、なぜか相手は頬を染めて去っていく。
「ありがとう、榊さん」
榊さんがいると私は彼女を頼ってばかりいる気がする。
「いいの、いいの」
けれど榊さんはいつも笑って、
頼ってくれて嬉しいと言ってくれるのだった。
「春哉ってもてるのかな」
「元々サッカー部は人気があって、見学している女子たちもいるからね」
榊さんは情報通だ。
「そうなんだ……」
「帰り、見てみる?」
放課後、榊さんと一緒に、サッカー部を見ることにした。
グラウンド脇には見学しているらしい女子たちが集まっていた。

