俺の青春がラブコメなわけがない!!

そんな楽しい日々もあっという間に過ぎ、冬休み最終日。そして、アメリカから優衣が帰ってくる日。優は優衣の両親と一緒に空港にいた。少し待っていると優衣が搭乗口から歩いてきた
優    「おっ、来た来た。優衣、おかえり―」
優衣   「Hi, yuu. I’m home!」
優    「えっ!?優衣、今なんて言った…?」
優はあわてて聞き返す。
優衣   「あ~ごめんごめん(笑)向こうでの癖が出ちゃって」
そんなたわいのない話をしていると、優衣の両親が来て、
優衣の母 「優衣、お帰りなさい」
優衣   「ただいま、お母さん。お父さん」
優衣の母 「その様子だととっても為になってきたようね」
優衣   「うん!!」
優衣の母 「じゃあ、今夜は優衣の好物のフルコースにしましょうかね」
優衣   「やった~!」
そして、みんな車に乗り空港を後にする。

翌日、三学期の始業式が終わり、その日の帰り道。
優衣   「孝太、はい。お土産」
孝太   「わぁ~優衣ちゃん、ありがとう♪」
優衣が孝太に渡したお土産はお菓子の詰め合わせだった。
優    「優衣、ありがとうな」
優はそう言って、右手を前に出す。優衣はその手を握り返し、なぜか上下に振り始めた。
優    「いやいや、握手とかじゃなくて!」
優は握手していた手を離す。
優衣   「あれれ?ちがった?」
優衣はわざとわからない振りをして首をかしげていた。
優    「お土産、孝太にあって俺にはないわけ?」
優衣   「あるよ、たくさん」
優    「ほんとかぁ~!?やった~!」
優衣   「うん、土産話がね」
優衣はにこやかにそういって話を変えた。
優衣   「それでさぁ、孝太。アメリカ、すごかったよ~」
そして、孝太と別れ優衣と二人になった帰り道。
優衣   「ねえ、優ちゃん。あのね…」
優    「ん?どうした、優衣」
優衣   「土産話のほかにね…もう一つ話があるの…」
優    「ん?なんだ?アメリカで彼氏でも作ってきたのか?」
優衣   「優ちゃん、何でわかったの!?」
優    「最初から薄々気付いてたよ。まぁ、もしかしたらって位だったけど。長い付き合いだしな。それに優衣はすぐ顔に出るから分かりやすいし」
優衣   「そっか…優ちゃん気づいてたんだ、そういうとこは鋭いよね…」
優    「ん?どういうとこだ?」
優衣   「私が言いたいことがわかっちゃうとこかな…」
優    「まぁ、それは、おいといて。それで、相手とはうまくいってるのか?」
優衣   「うん!えっとね…名前はマイクっていって…」
優衣が目をきらきらさせながら話をしようとしているのを優が無理やり話し切り替える。
優    「優衣、それで、本当に俺にお土産ないのか…?」
優衣   「ん、ああ、えっとね。あるけど家にあるから、後で部屋に持っていくね」
優    「了解。あまり遅くなるなよ」
優衣   「はぁ~い」
話が一段落したときちょうど家についた。
優    「優衣、じゃあまた後で」
優衣   「うん、後でね、優ちゃん」
そして、二人はお互いの家に入っていく。その夜に、優衣が優の部屋に来て、お土産の手袋を渡した後に、優衣の彼氏自慢やアメリカでの話が止まらず夜中まで聞くことになった…。

そして、三学期が始まって間もない日の放課後、孝太が話しかけ  てきた。
孝太   「優、なんと俺に彼女ができた♪」
優    「はい?孝太、俺の聞き間違いかもしれないからもう一度言ってくれる?」
孝太   「だ~か~ら!俺に彼女ができたって言ったの!」
孝太は少しイラッとしながら優に言う。
優    「ほんとに!?いつ?相手は?孝太から告白したの?」
孝太   「優、落ち着け。一つ一つ答えていくから聞いてろ!」
優    「へいへい」
優は適当に返事をする。
優    (孝太、優衣に振られて落ち込んでなかったか?この前のデートの後に電話で話したっきりだったけど…)
と、優が考え込んでいると、
孝太   「…で、僕はOKしたんだよって優、聞いてる?」
優    「ん?ああ、ごめん、考え事してた」
孝太   「も~仕方がないな~、それでね…」
と再び孝太は得意げに話し始めた。