――にしても、初めて合った時は衝撃だったなぁ。懐かしい。まぁ、後日また会って、今度は一時間以上抱きつかれたなあ。今も定期的に続いているけど(笑)。そういえば、ファミレスにいる理由を説明してないじゃん。いや〜忘れてた(笑)。それで――

俺がロビーで待っていると、同期(いわゆる同じ賞でデビューした作家)の綾瀬颯斗が入ってきた。
「おは〜」「おはよ〜」
いつもと変わらない挨拶をして、
「今日はどうしたんだ?」
「ああ、あの編集長に呼び出されて・・・な」
「なるほどな。お前も大変だな」
「いやいや、お前に比べればまだマシな方だろ。今日もあれなんだろ?優羽は」
「まぁ、おそらくな。にしてもアリスのやつ遅いなぁ」
「なるほど。アリスちゃん待ちだった理由か。じゃあ、俺は先に行くな」
「ああ、またな」

その後すぐに、アリスと編集長、その後ろにもう一人?あれは・・・颯斗!?なんで!!
「お待たせ、優羽ちゃん」
「お待たせなのじゃ」
あれ、二人とも外行きの格好・・・もしや!
「優羽ちゃん。今から向かう先はわかるよね?」
ま、まさか、あそこに行くのか・・・行きたくない・・・。
「イエ、ドコニイクノカサッパリワカリマセン。」
「じゃあ、私についてきてね」