稜くんが動き出そうとした私たちの足を止める。
「な、何?」
まだなにかあるのだろうか。
突然、腕をひっぱられた。
そして唇にはあたたかいやわらかい何かの感触が。
私は状況を理解するのに数秒かかった。
今キスをされているということを。
私は稜くんをおし返した。
今、とてつもなく真っ赤な顔をしているだろう。
「な、なにすんのよ!!!」
「あー?キスだけど。」
「あーあー稜に先こされちゃった。」
稜くんも怜くんも蓮くんも平然としている。
「な、んでキスなんかすんのよ!!」
「だってさっきのお返しもらってねーもん」
「はあ?!」
なんのことを言っているのやらさっぱりわからなかった。
「だーかーらーさっき助けてやったろ」
「そ、それはまだ契約する前というか、だから・・」
言葉がうまくでてこない。
「うるせーなごちゃごちゃうるせーんだよ!
お前は俺らの奴隷だろーが」
稜くんが怒った顔で言う。
「はい。そこまでー遅れちゃうからそろそろ教室いくよ。」
話をくぎってくれたのは怜くんだった。
