見開いていた彼の瞳が、ゆっくりと三日月型に細められていく。片手で顔をごしごし擦ったあとで、優しい声で彼が言った。

「・・・いや、遅くないよ」

 それから手を出して、私を部屋へと引き入れてくれる。

「俺も、やっぱり明日には迎えにいこうって思ってたから」


 頭の先から爪先まで、一瞬で全身が温かくなったのが、はっきりと判った。

 冬の夜、彼の部屋の、玄関先で、私は大きな笑顔になる。




・「告白をもう一度」おわり。