でもそのボールは修斗の頭を超えていって、相手にクリアされてしまった。


「あ~あ。せっかくお父さんがチャンス作ったのに」


立ち上がって今のシーンを見ていた凱斗は、残念そうにそう言って席に座った。


それからは、攻めて攻められての展開が続いて、両チームともなかなか点が入らない。


そのうち前半が終了してしまった。


「お母さん、お菓子食べていい?」


「いいよ」


果穂がカバンからお菓子を取り出して、お菓子の袋を開ける。


「俺も食べる」


「いいよ」


ハーフタイムはこうして二人でお菓子を食べることが、子供たちの過ごし方。


その様子を見守りつつ、後半が始まるのを待った。


しばらくして、FCウイングのキックオフで試合が始まった。


修斗を起点に、まずはFCウイングが相手陣地に攻めていく。


パスをつないでゴール前までボールを運び、最後にフォワードの選手がシュートを打った。