「お父さん、今日応援行くからね」


そう言って修斗に抱きつくのは果穂。


甘えん坊で、修斗大好きな果穂は、小学校6年生になった今でも、こうやってよく修斗に抱きついている。


果穂は海外にいたころにピアノを始め、日本に返ってきてからも元ピアニストの先生にピアノを教わっていて、毎回楽しそうにピアノ教室に通っている。


将来の夢はピアニストで、音楽科のある高校の付属中学校の受験を控えている。


ピアノの先生に、ピアニストになるにはどうしたらいいかっていうのをいろいろ聞いたらしく、果穂が自ら中学受験をしたいって言ったときには私も修斗もビックリしたっけ。


いっぱい勉強しなきゃダメなんだよ、頑張れる?って聞いたら、頑張るって答えたから、私も修斗も果穂の夢を応援することにしたの。


「俺も見に行くから。絶対勝って」


対する凱斗は、もう修斗に抱きつくのは恥ずかしいからか、果穂みたいに修斗に抱きつくことはないけど、試合前は必ず修斗に声をかけている。


凱斗も海外にいるときにサッカーを始めて、今はFCウイングの小学生コースに通っている。


先日FCウイングのジュニアユースに受かって、中学では部活に入らずに、授業が終わったらすぐに家に帰ってきて、毎日サッカーの練習に明け暮れる予定。


将来の夢は、修斗を超えるサッカー選手!


本当にサッカーが大好きで、サッカーの練習がないときでも、修斗と一緒にボールを追いかけている。


「絶対日本代表になって、お父さんが出来なかったワールドカップで優勝する」ってことが、最近の凱斗の口癖。


私も修斗も、凱斗と果穂なら、きっと自分の夢を叶えてくれると思ってる。