「なあ、里穂」


「ん?」


「いや、なんでもない」


「なにそれ」


文句を言う私を、修斗はますますギュっと抱きしめる。


そして「ふわ~」と、大きなあくびをした。


「ふふっ。眠くなってきた?」


「ああ」


「やっぱり、私効果絶大だね」


修斗がいつもやってくれてるように、私も修斗の頭をなでると、静かな修斗の寝息が聞こえてきた。


「おやすみ。明日の試合、楽しみにしてるね」


そう声をかけて、私も眠りについた。


翌日、いつも通り起きてきた修斗に、いつも通り朝ごはんを出して、いつも通りお見送りをする。


「頑張ってね、お父さん」


今日は土曜日だから、子供たちも一緒に修斗のお見送り。