修斗に手を引かれて来た道を戻りながら、高校時代の修学旅行のとき、そんな約束をしたことを思い出す。


「俺が選手のときは時間が取れなくて行けなかったけど、今度予定立てて行くか」


「うん、行く!じゃあ、子供たちが休みのときに」


「いや。今回は二人で行こう。久しぶりに、二人で」


「うん」


修斗の言葉に、コクンとうなずく。


「今度こそ、迷子になるなよ」


「なりません~」


軽口をたたきながらも、修斗の腕にギュッと抱きつく。


「ねえ、修斗」


「ん?」


「今までお疲れさま。少しのんびりしようか」


「……ああ」


ちょっとだけ湿った修斗の声。


それに気づかないふりをして、私はもっとギュッと修斗の腕に抱きついた。