「俺は別に……」


修斗の言葉に、ううんと首を横に振る。


「修斗がいたから、管理栄養士っていう自分の夢を見つけられた。そして叶えられた。修斗が頑張ってるから、私も頑張れた。修斗がいたから、子供たちに出会えた。ありがとう、修斗。私に幸せをくれて」


「里穂」


修斗の顔がゆっくりと近づいてきて、コツンとおでこ同士が合わさる。


「俺、まだまだ叶えたい夢があるんだ。だから、これからもよろしくな」


「こちらこそ。私はいつでも修斗を応援するし、支えるよ」


二人で笑いあって、そっと唇を重ねる。


「見られたかも」


「見られたかもな」


また二人で笑いあって、どちらともなく手をつなぐ。


「なあ、里穂」


「ん?」


「俺がプロになったら、北海道にもう一回行こうって約束したの覚えてるか?」


「うん!」