君の隣~サッカーボールを追いかけて~特別編

「なあ、里穂。ちょっと出かけようぜ」


「いいよ~どこ行くの?」


「高校」


翌日、修斗のこの一言で、私たちは歩いて卒業した高校まで向かっていた。


「高校か~なんか懐かしいね」


「まあな。ていっても、なんだかんだ毎年初蹴りには参加してるけどな」


「そうだね」


高校を卒業してからも毎年、1月1日の初蹴りには参加していた修斗と私。


でもこうして二人で歩いて高校に向かうのは久しぶりだから、なんだか嬉しくなって修斗の手をギュッと握った。


「なんだよ?」


「んーなんでもない」


嫌がるかな~って思ったけど、修斗は私の手をギュッと握り返してくれた。


校門の前まで来ると、少しだけ門が開いていて、そこから二人で中に入る。


「ねえ、修斗。勝手に入って大丈夫?」


「ああ。田中先生に許可もらったから大丈夫」