Doll・Curse

時は遡る
深雪の祖父母が殺される5日前
10月16日
帰り道が一緒の夏音と帰っていたら人形が捨ててあった。
ウサギの人形だった。
そのウサギの人形はこっちを見ていた。
「どうしたの深雪?」
夏音が声を掛けてきた。
「な、何でもないよ」
深雪は慌てて誤魔化した。
(あの人形、こっちを見ている気がする)
とその時は思っていた。
それから、しばらく歩き夏音と別れるとまた見つけてしまった。
人形だ。 しかも、さっきと同じウサギの人形だ。
「!!」
深雪が驚くと同時に人形が語り掛けてきた。
「ねぇ、深雪ちゃん、昔大切にしていた人形はどうしたのかな?
もしかしてなくしちゃった?駄目だよそんなんじゃあ、お人形さんだって「生きている」かもしれないんだよ? それに、人形がどんな容姿だったのか覚えてる?君が覚えているのは目の色だけなのかな?」
「!!!」
深雪は思う
なぜ、このウサギの人形は私の人形のことを知っているのだろう?
「深雪ちゃん、覚えててね。
人形は永遠に死ぬまで一緒にいてあげてね。 間違っても人形を1人にし続けないでね」
気が付くとウサギの人形は何処にも居なかった。