ガラッ
教室のドアを開けるとまだ先生はいない。
よ、よかった〜
安堵して自分の席につくと、
「夕桜、おはよう。また遅刻したの?」
「みっちゃん!おはよう!えへへ。寝坊しちゃった。」
みっちゃんこと田野倉 美羽たのくら みう。
私とは小学校からの同級生。サバサバしてて、面倒見が良くていつも私の事を助けてくれてたりする。しかも凄く美人さん。
学校で2番目に人気なのだとか。
え?1番目?う〜ん。それが分かんないんだよね・・・誰だろ?
「どーせ遅くまでドラマ見てたんでしょ。」
な、何故それを!?ま、まさかみっちゃんってエスp・・・
「エスパーじゃないから。夕桜がすぐ顔に出すぎるの。」
「えーそうかなー?」
まあ、人前に出るとすぐ赤くなっちゃったりするんだよね・・・だって恥ずかしいんだもん。
みっちゃんとそんな話をしていると、
ガラガラッ
「おーし皆席に着けー。SHR始めるぞ。」
「おはよう昭ちゃん!」「昭ちゃんはよー。」
担任である昭ちゃんこと佐藤 昭一先生が入って来た。
中年で少し痩せ型だけど気が強い体育系の熱血教師。
「皆!おはよう!今日は転校生を紹介するぞ!さぁ、入れ!」
すると、教室中がザワザワし始めた。クラスの女子達は男かな?イケメン?とか盛り上がっている。
男子は女!可愛い子来てー!と叫んでいる。
転校生かー。どんな人かな?仲良くなれるといいな、なんて甘い事を考えていた。
でも、この考えが甘かったと後悔するのは少し先のこと。
