お会計を済ませ自転車を漕いで家へ帰る。 向かい風は生暖かく、それは春を感じさせた。 「ただいま」 カシャン、と鍵を閉めて返ってくるはずもないのに挨拶をする。 それが悲しいから私は 「おかえり。自分」 と、自分に向かって言う。