夢を見るボクら



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ガチャ


「ふう。」



濡れたままの髪をタオルドライしながら部屋に入る。



ふと視界に入った小さな包箱。


「これ...」



だいぶ前に賢の為に買っておいた香水。


忙しくて渡す暇もなくて棚の上に置いておいたのだ。



(お祝いに渡そうかな...)


喜ぶ賢の顔が浮かんで自然と笑みがこぼれる。



「そういえば...」


こんなに笑うようになったのも賢たちのお陰なんだなあ、と出会った頃のことを思い出す。