夢を見るボクら



「呆れた?」

「え?」


「...木の棒で殴ったこと。幻滅した?」

卑怯な真似をしたから私が呆れたのかどうか聞きたいのだろう。


(そんなの...)


「別に呆れてなんかない。それに今はきちんと戦ってるんでしょう?

今がきちんとしていたら全然いいのよ」


安心させるように笑えば安心したように笑う。


「そっか。ありがとう!じゃあな!」

一瞬なにか頬に触れて颯爽と去っていく神矢



「え...」




涼しい風は私の髪の毛を遊ばせて夏の始まりを知らせた。


波乱な予感がする、夏はすぐそこに。