+ 「兄ちゃん、今では旅券会社に勤めてるんだぜ」 ヤンキーだったとは思えない、と肩をすくめる神矢。 「素敵ね」 率直な感想を言えば自慢げに威張る。 「あ、小説にありがちだけど兄ちゃん死んでねぇかんな」 「なぜ死ぬの?」 「...なんでもねぇよ」 なんだったのか、不思議だったけど特攻服を着ていた理由はちゃんとあったのね。 (疑ってごめん) 心の中で謝る。 「帰るかー」 立ち上がって伸びる神矢を見て私も立ち上がる。