「お前...」 「抜け駆けはさせねえよ」 耳にだけ入ってくる会話は賢と神矢にしか通じない。 「チッ」 舌打ちと共に体が開放される。 目の前には睨み合っている賢と神矢の姿 「二人とも、どうしたの?」 「朱鳥には関係ない」 「いや、関係あるに決まってんだろ」 矛盾している二人の言葉 よく分からないけど、 「喧嘩したならちゃんと仲直りしてよね」 そう言って空き教室を出た。 きちんと二人で話した方がいいと思うし。 後ろで何か声がするけど、気にせずに私は紀乃の元へ帰った。