夢を見るボクら




右耳に柔らかい感触


独特な感触は誰に問わずともわかる。



(くち...びる......)



そう、バランスを崩したときに幸か不幸か賢の唇が右耳に触れてしまったのだ。


一気に体が熱くなるのを感じて急いで距離をとる。


「ごっ、ごめん!」


賢がどんな顔をしているのか怖くて顔をあげられない。


「ほんとにっ...、ごめ...」


後ろに下がるのをやめない私の背中に右手を添わされて引き寄せられる。