「どうしたの?」
「あ、いや、なんでもねえ」
まだ驚いたままの竜
「じゃあ、おれ仕事してくるわ!」
宣伝を再開する竜にバイバイと手を振る。
(そんなに笑顔変だった?)
賢を見ると顔が少しだけ赤い。
「お前っ...」
とだけ言うと手で顔を隠してしまった。
「ねえ、け...」
《はいはーい!黒陽高校のみなさーん!文化祭は楽しんでますかー??
今年も放送室を開放し、宣伝ブースを設けたいと思いまーす!参加されるクラスは...》
私の声は放送でかき消される。
周りは放送を聞いてより一層盛り上がって、声が通りにくい。


