夢を見るボクら



「...んだよ」

「え?」

前から聞こえてくる小さい声



聞き直すと話さなくなる賢


「ねえ、どうしたの。賢」

「なんでもねえ」


そう言って腕を離して私と距離をとる。


それを見て少し心が痛む。


「ごめんな。急に連れ出して」

何かを押し殺したような笑顔で私の頭をポンポンする


賢に頭を触られると不思議と落ち着く