「...んだよ」 「え?」 前から聞こえてくる小さい声 聞き直すと話さなくなる賢 「ねえ、どうしたの。賢」 「なんでもねえ」 そう言って腕を離して私と距離をとる。 それを見て少し心が痛む。 「ごめんな。急に連れ出して」 何かを押し殺したような笑顔で私の頭をポンポンする 賢に頭を触られると不思議と落ち着く