そう言って平助は、力なく壁に拳をぶつけた。
私は立ち上がって平助の隣にいき優しく背中に手をそえた。
佑「………ありがとう。
…でも、平助たちが悲しむことはないと思うよ。」
平「………は?
それってどういうことだよ?」
平助には秘密をたくさん教えちゃうな...。
なんか平助はお兄ちゃんと似ててなんでも話しちゃう...。
佑「あの桜。」
私は平助の背中から手を離し、総司の机の上に置いてある桜を指差して言った。
佑「あの桜を総司の元から消すとね....。
私の記憶が無くなるの。
総司だけじゃない、私の存在を知っている人たちみんなから、私の記憶が全て消えるの。
跡形もなく、思い出せないように。」


