初恋シリーズ

膝に当たる空気は一段と冷たい。


吹き抜けの渡り廊下の先は豪雪だった。


「面倒だけど回るか。」


迂回しようとする先輩のブレザーの裾を咄嗟に引いてしまった。


「ん?」


慌てて離すと私は手を後ろに隠した。


「あ、えっと....せ、青春しときませんか!」


うまく隠す方法がわからず適当に口にした。


先輩が吹き出した。


手の甲で口元を抑えている。


「スカートなのに後悔しない?」


先輩が目を細めている。


本当に笑っている時の仕草だ。


「お見苦しいものは見せないように最善の努力はしますよ?」