時間の流れは早く、気づくと始業式の日となっていた。
岩淵先生と会えるか、転任ではないか…
そんなことを考えていると踏み出す1歩が物凄く重く感じられた。
そして、重い扉を開き、職員室へ向かう。
居るかな…。
職員室を覗いてみると岩淵先生の姿は見えない。
まだ来てないだけかもしれない。
そう自分に言い聞かせた。
ふと他の先生達を見るとやけに慌ただしかった。
始業式の前だからなのかとも思ったが何かが違う。何故だろう。
私はとりあえず教室へ向かった。
｢ミキ、おはよ。｣
｢おはよ！まだ岩淵先生いなかったね。｣
｢うん…。｣
きっと来る。そう言い聞かせる他になかった。

｢１回皆中に入ってください。｣
始業式が始まる時間となり、皆が体育館へ移動しようとしていると教室に学年主任の先生が入ってきた
なんだろ…。
｢えー…落ち着いて聞いて下さい。｣
何か嫌な予感がした。
教室は静まり返り、皆の視線が1点に注目した。
｢皆さんに大事なお話があります。
大変悲しいお知らせですが、皆さんに慕われていた岩淵先生が…｣
次の言葉を聞いて、耳を疑った。
｢先日お亡くなりになりました…。｣