俺の頭の中の容量を分かりきってる秋奈はポイントを出来るだけ絞ってくれてる。
『ここ絶対覚えるφ(..)メモメモ』
顔文字付きのノートは普通の参考書より面白くて、分かりやすい。
上手く顔文字を描けないくせに、秋奈は好きなのかあちこちに描いて遊んでる。
そんなノートを見て、勝手に頬が緩む。
時間になって、先生が入って来ると教室の空気が一変する。
この学校は実力重視だから、クラス分けも当然のように成績順。
俺のいるクラスは当然1番下のクラス。そこから抜け出そうと必死なんだ。
「山下、この問題の答えは」
指名されてどきりとする。
黒板を見れば、英語の文が書かれている。問題すら英語の出題とか…。
「…30分」
「英語で、手段も加えなさい」
「It takes 30 minutes by bicycle.」
「よろしい。座りなさい」
先生の言葉に座ると、睨んでくる奴がいる。
…これくらい出来るし。英語は何か知らないけど、秋奈にこつ教えてもらったら結構簡単に理解出来るようになってきた。
だから、他の奴にだって、負けないんだ。


