「クラスメイトなら、姉ちゃん断りますよね!」

「バカ。秋のクラスで1番仲良くて、姉のように慕ってる奴からだぞ」

「やばいじゃないですか!?」

 再び青くなる春馬。

 こいつ、忙しい奴だな…。

「瞬桜さん、姉ちゃんに言ってくださいッ」

「あ?お前の大会だろ。お前が、自分で、頭下げて来てくださいって秋に頼むのが筋だろうが」

「それは…そうですが…」

 春馬は急に口ごもる。こいつ、時々殴りたくなるな…。

 今も十分殴りたいけど…。

 大体、こいつは秋のすごさを分かっていない。

 どの部活も欲しがる手当の能力の高さと、その明るさがチームのモチベーションともしもの場合に心強い後ろ盾になる。

 その秋が無条件に出向くのは春馬の試合の時だけなんだ。

 多分、これは当たり前に来てくれるという思いを切らなければずっとそのありがたさが分からないんだろう。