春馬と秋の部屋は隣同士で、階段の近くの方が秋で、奥が春馬の部屋だ。秋の部屋を見て、思わずそちらが気になってしまう。
あいつ、絶対泣いてるよな?どっかのバカのせいで…。
気にはなるが、今はバカの教育が先だな。
春馬に連れられるまま春馬の部屋に入る。
ベッドと本棚と勉強机。余計なものは置いていない春馬の部屋だ。
本棚にはほとんど剣道に関する本が並んでいて、唯一の漫画はあの有名な少年誌の明治時代を描いた有名なあれだけだ。
春馬は自分から床に正座して、叱られる体制を作っている。
それが分かったから、わざとベッドに腰掛けてやった。
「春馬、お前いい加減にしろっているよな」
「はい…。すみません」
「俺に謝るなら、秋に今すぐ土下座しろ」
春馬はしゅんと肩を落として、うなだれている。


