私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)


 そんなことを話しているうちに、秋の家に着く。

 さてと、問題児はどうなっているか…。

「春呼ぶ?」

「玄関行けば勝手に来るだろ?」

 自転車を止めて、秋が一度深呼吸してドアを開けてただいまと呼びかける。

 家に帰るのに呼吸を落ち着かせるって何なんだ…。

「おかえり~。あら、瞬桜くんありがとうね?」

 キッチンから顔を出したおばさんは、俺の姿を見るとにっこりと微笑んでくれた。

 おばさんは秋と春馬を学校へ送り出した後、商店街に向かって15時には切り上げて家に戻って来ていた。

 軽く挨拶をしていると、ドタバタとリビングの方から音が聞こえてくる。

「瞬桜さん!?」

 出た問題児。

 それはもちろん、秋の弟である春馬のことで…。

 秋はさっと靴箱に背中をくっつけてしまった。