そんなことを話しているうちに、秋の家に着く。
さてと、問題児はどうなっているか…。
「春呼ぶ?」
「玄関行けば勝手に来るだろ?」
自転車を止めて、秋が一度深呼吸してドアを開けてただいまと呼びかける。
家に帰るのに呼吸を落ち着かせるって何なんだ…。
「おかえり~。あら、瞬桜くんありがとうね?」
キッチンから顔を出したおばさんは、俺の姿を見るとにっこりと微笑んでくれた。
おばさんは秋と春馬を学校へ送り出した後、商店街に向かって15時には切り上げて家に戻って来ていた。
軽く挨拶をしていると、ドタバタとリビングの方から音が聞こえてくる。
「瞬桜さん!?」
出た問題児。
それはもちろん、秋の弟である春馬のことで…。
秋はさっと靴箱に背中をくっつけてしまった。


