「っあ~見て見て、この人、詐欺師って噂の人だぁ」
「えぇ、マジで?ヤバくね?」
彗と星の言葉に周囲が驚いて検索をかけてるのが何となくわかる。
でも、それは嘘ではなくて、同じようにいちゃもんをつけられた人が写真つきでこの人に注意と拡散希望で投稿されてる。
しかも何件もある。
この人、他でもこんなことしてんのか…。
入店禁止リストとか載ってるし、結構なクレーマーらしい…。
思わず無言でおばさんを見る。
おばさんは周りの野次馬に何か吠えてるけど、みんな聞く耳持たずだ。
「何よ!何勝手に撮ってんのよ!!」
「え、証拠写真だけど」
「はぁ!?」
「おばさん。殴られた跡ないねぇ」
にやりと笑った彗におばさんははっとして頬を隠す。
だけど、今更遅い。
「殴られてないのに治療費とか、おかしくない?」
「マジで詐欺師の噂当たってんだ」
「こわ~」
周囲も同調して、形勢逆転…。


