「1年4組、宮田秋奈です。よろしくお願いします!」

 やたらよく通る声。

 それに『宮田』と言う名字に驚いて顔を上げる。

 鎖骨くらいの長さの髪を左右に分けて縛ってる。

 結構はっきりした顔立ちで、頬笑みを浮かべてる。

 きれいってより、かわいい感じの女。

 前に1度見たことがある。

 全国大会の場で、宮田春馬って奴と当った時、相手の監督席の隣にいた。

 こいつ、宮田道場の奴だったのか…。

 俺の視線に気づかない宮田はすぐに腰を下ろす。

 誰もこいつがここらじゃ有名な宮田道場の奴だって気づいてないみたいだ。

 やっぱ、その程度の場所なのかもな。

 そう思うと余計にやる気がそがれた。