商店街の近くまで来て、夏樹と別れる。

 多分、手伝わされるんだろうけど。

「夏、またね」

「おぅ!瞬桜もまたな~」

「早く行け」

 夏樹が駅の方へ行ったのを見て、俺と秋は家の方角へ進み始める。

 いつも行きと帰りは2人になる。

 なのに、なぜか秋と2人きりになるのが酷く懐かしいような気がする。

 横顔を見れば、秋は鼻歌なんか口ずさんで自転車をこぐ。

『…私は、生まれる時を間違えたんだ』

 秋が過去なんか思い出すからか?

 俺がお前をよく見てるせいなのか、俺は秋にどうも影響されやすいみたいだ。

「瞬、ここまででいいよ」

「…秋、おごってやるから公園行こうぜ」

「…うん?」

 俺の家と秋の家の分かれ道。

 なんか、今離れたくないかも。