ぼんやりしていた秋が徐々にニコニコし始める。

 あいつまた思い出し笑いしてんな。

 六花が首をかしげて秋の顔を覗き込むと、秋は六花に抱き着いてやがる。

「秋奈、痛い」

 秋に抱き着かれて六花は嬉しそうな顔をしてるくせに、嫌がってるような言葉を吐く。

 秋はお構いなしだけどな。

「秋奈、どうした?」

「六花と会った時のこと思い出した」

「俺のことじゃなくて?」

「夏は不良くんだもんね」

「ひっでぇ」

 顔を歪める夏樹にケラケラ笑ってる秋。

 そのままごめんと言いながら夏樹の頭を撫でてやがる。…ッチ。

 あいつはまた夏樹にべたべたしやがって。

 男にあんな触ってるなよ、くそ。