着替えるのめんどくさいなぁ、もう上からジャージ着ればいっか!
セーラー服の上から真っ黒なジャージに袖を通す。
前から見たら特に装飾はないんだけど、背中に大きく『志季』と書かれた文字と、紅葉が舞う様に『志季』の文字を彩っている。
そのジャージを着て、また外に飛び出した。
「おい、秋奈ちゃんと着替えなさい」
「いいの!おばちゃん、今日は負けないからね!」
「おばちゃんこそ、負けないわよ~」
そんなことを言いながら、手をぐるぐる回す。そして、おばちゃんと一緒に構える。
「「最初はグー、じゃんけんポン!!」」
お決まりな掛け声をして、おばちゃんと私は同時に手を前に出す。
おばちゃんの手の形はチョキ。そして、私はグーだ。


