「で、秋奈、お願いしたいことが…」

「大会、頑張ってね」

「あきなぁ」

 理紗のお願いでも無理。

 志季の仕事だってやらなきゃいけないし、春馬の試合優先させたいしね。

「はぁ、このブラコンめ…」

「ブラコンじゃないって」

「秋奈のこの状態を見てブラコンじゃないと言えるか!」

 理紗のやけくそのような悲鳴にクラスの子が振り返ってるよ。

 止めようにも嘘泣きまで初めて手の付けようがなかった。