週末の土曜日。深刻そうな顔で志季のたまり場は埋まる。

 志季に残ると決めた8人はもともと初期のメンバー。

 志季が出来たから加わった子たちが多い状況、また振り出しに戻るかもしれない…。

 ヤンキー座りとか思い思いの格好で私を見るみんなに視線を向ける。

「…尾木くんの話は、もうみんなの耳に入ってると思う。これからどうするか、決めていきたい」

 ざわつくみんな。

 8人以外はそんな話聞いてないもんね。驚くのも当然だ。

「なぁ、これからどうするかって、どういうことだよ」

「…それは」

「はっきり言えば、メンバーの選別だ」

 口ごもった私に代わってトーマスがはっきりと告げる。

 その瞬間、みんなが息を飲んだことが分かった。

「ちょっと待ってよ!メンバーの選別って、尾木が勝手にやったことでしょ!?なんで私たちまで」

「尾木がやったことは、志季の存続にかかわる内容だった。それを、俺たちの中で誰も気づけず、商店街に被害が出てから分かったんじゃ遅いんだよ」

「そんなの!私たちが悪いっていうの!?」

「秋奈さん!なんでメンバーの選別なんか!」

「…はっきり言えば、信用できないから」

 心を殺せ。悪役になれ。余計な感情はいらない。

 顔から表情が一瞬で抜ける。みんなの顔は呆然としたものだ。