散々暴れて、やっと観念したらしいのは5分後。
地面に座る尾木くんをノンタンとトーマスが両側から肩を掴んで抑えてる。
「尾木くん、ポケットの中身出すよ」
先に忠告して、夏が尾木くんのズボンのポケットに手を入れる。
出てきたのはやっぱりお金で、2万円がぐしゃぐしゃになってた。
証拠が出されて顔をそむける尾木くんに反省するような様子はない。
「…尾木くん、自分がなにしたか分かってる?」
「知らねぇよ」
「言ったよね。商店街の人たち困ってるって。今までのも全部尾木くんがやったの?」
「やってねぇよ!」
「…そう。尾木くんをたまり場に連れてって。みんなに見つからないようにちょっと迂回してくれる?」
「分かった」
「夏樹、お前も手伝え」
「おう」
元々準備してあったひもで尾木くんの体を縛って、トーマスがそれを持つ。両側から拘束もして、引きずるように連れて行く。
『秋奈、商店街の人たちに声かけたよ』
「ありがと、六花。六花もたまり場行ってて」
『うん』
電話を切って、携帯をポケットに入れる。
はぁ、ちょっと最悪なパターンかもしれない。
瞬を見れば、頭をポンってされた。


