すぐに路地を曲がって、まっすぐ走る。
「瞬たちは?」
『2手に別れてる。瞬桜と紀仁が秋奈の隣の路地。夏樹と鳥羽が後ろ追いかけてる』
「ということは…」
すぐに見えた十字路を左に曲がって、すぐ右に行く。
そのまままた右に曲がって、あとはまっすぐ!
「尾木!!逃げんじゃねぇ!!」
「うるせぇ!」
声が聞こえてくる。
間に合え!!勢いをつけたまま十字路を飛び出す直前に尾木くんの手が見えた。
スライディングをかけて十字路に飛び出すと、尾木くんも走ってきたところで、見事足を引っ掛けて派手にすっ転んでくれた。ふぅ。
「秋奈ナイス!」
後を追いかけてきたノンタンが走って転んで起き上がろうとした尾木くんを押さえつけて、そこにトーマスも参加した。
2人に押さえつけられれば尾木くんも逃げ道はなく、暴れてるけどもう逃げられない。
「秋、大丈夫か?」
「うん。計ったみたいに誘い込んだね」
「お前が路地完璧に把握してるからどっちみちできただろ」
瞬の手に掴まって引っ張り起こされる。
夏はまだ抵抗する尾木くんを押さえつける役に回った。


