「あきちゃん、久しぶりだねぇ」
「テスト終わったの!お父さんいじめるからおばあちゃん助けて?」
「あらまぁ」
けらけら笑うおばあちゃんにお父さんもたじたじ。
こっそり叩かれたけど知らないもんね!
「ばあちゃんがお給料あげんとねぇ」
「あはは、ありがと。おばあちゃん」
おばあちゃんが差し出してくれたのは、あめ玉。
ポケットから自然に出てくるのが何とも不思議。
「っは、これは噂の黒蜜飴!」
「あははっ、チョコばあちゃんのとこで買ったのだよ?」
「いいの!おばあちゃんがくれるから特別なんだからね!」
「そうかい?それじゃあ、ばあちゃんはあきちゃんが売ってくれるキャベツと大根を貰おうかねぇ」
「10個ずつ?」
「そんな食えんわ」
冗談の応酬でやっぱり楽しい。お父さんは押されてるけど…。
商品を袋に入れたところで、ガタンッと派手な音。
振り返れば、夏が飛び出してきていて、尾木くんがポケットに突っ込んだ手首を掴んでいた。


