商店街に着くと、心なしか全体の雰囲気が少し暗い。お客さんも少なく感じる。

 そして何より、商店街を駆け回ってる名物の黒ジャージの姿はどこにもなかった。

「お、秋奈、瞬桜お疲れさん」

「たーちゃん、ありがと!…ねぇ、みんなどこに」

「あぁ…たまり場で待機させてるらしい。とりあえず親父さんのところに行った方がいいと思う」

「分かった。ありがとね」

 たーちゃんに手を振って、とりあえずお父さんのいる八百屋に向かう。

 店を覗くと、夏樹と六花が店番していたみたい。

「秋奈…」

「お父さんたちは?」

「奥で話してる」

「親父さん!秋奈と瞬桜戻ってきました!」

 夏樹の声に、店の奥の襖が開いて、険しい表情のお父さんに手招きされる。

 私と瞬桜だけじゃなく、夏樹と六花も呼ばれて、店番は代わりにお母さんが出る。