「おはよう秋奈~」

「おはよ~」

 何回目のあいさつだろう。もう数えるのもめんどくさい…。

 私が今いるのは昇降口。

 隣には単語帳片手に瞬もいる。

 誰を待っているのかというと、学校で1番の問題児君夏だったりする。

 なんでかって?夏がテストで赤点取らないおまじないをするため、かな?

 それにしても遅い!!もうチャイムまで10分しかないよ!

 遅刻するわけにはいかないから、あと5分が限界かも…。

 くっそぉ!問題児に加えて遅刻魔なのか!あのバカ夏~!!

 (注:夏樹は遅刻したことはありません)

「あれ、秋奈も瞬桜もどうしたんだ~?」

「ッ!?遅い!バカ夏~!!!」

「えぇ!!?」

 ひょっこりと現れた夏に思いっきり怒鳴ってその場にいた人の注目をかき集めたのは言うまでもない。