「六花、おはよ!」

 そんな声と一緒に、体がぬくもりで包まれる。

 顔だけ振り返れば、すぐ近くに友達の顔があって、なんかくすぐったい。

「おはよ、秋奈」

「また携帯?飽きないね」

 開いていたページはどうでもいい中傷サイト。

 すぐに画面をホームに戻して、また新たにページを開く。

 小林六花。

 得意なのはハッキング。難解のパズルを解くようで楽しいから。

「ねぇ、六花。昼休み図書館行くんだ、行く?」

「いってらっしゃい」

「つれないなぁ。たまには活字追ってみるのも楽しいかもよ?」

「そう」

 話をしながら、開くページは写真の共有サイト。

 適当に決めた写真をターゲットに、その写真が撮られた場所を探る。

 でも、全然つまらない。