藍色の瞳





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その日起きたのは午前10時くらいだったと思う






「おはよう蜜ちゃん」






「え!?」






今日は早く起きてお見送り出来なかったな…

と思い、目を擦りながらリビングへ行くと爽やかな挨拶が聞こえた






「な…なんでまだ家に…」






「ん~、今日はちょっとしたお休みなんだよ」






「…休み」






言われてみると、柊雅さんもスーツではなくラフな格好で足を組んで座っている






「すみません、起きるのが遅くて…」






「いや、全然いいよ。
それより蜜ちゃんお腹空いてない?」






「……はい。少し…」






だって寝てたから朝ご飯食べてないし






「だと思ったよ。
今から食べに行こう?」






「ありがとうございます」






食べる物を自分で作るのも面倒だった為、理玖さんの提案は有難かった






「よし、じゃあ30分後に出るから準備してね。」






「分かりました」






私はすっかりいつも通りに戻ったと思って、気分が楽になっていた






理玖さんが優しかったから






いつものような張り詰めた空気が感じられなかったから






だから、この休みが嵐の前触れだったなんて知らなかった