この1週間で俺は誰よりも蜜ちゃんと柊雅を見てきたつもりだ
だから分かる
2人とも“偽り”だって
そして、お互い気づいてる
俺は蜜ちゃんより柊雅との付き合いの方がよっぽど長い
だから、柊雅が蜜ちゃんと少し距離を空けている理由は知ってる
でも蜜ちゃんの過去に何があったのか、そして“那夏”の詳しいことも知らない
調べれば全て露になるだろう
でもやっぱり、“時間”が必要だと思うから
「着きましたよ、若」
長く続いたこの変わらない日常に
蜜ちゃんが終止符を打ってくれることを信じているから
俺は何も調べない
何も知らないままでいる
「……」
無口それに加えて無表情
それが絶対的存在に拍車をかけている
でも機会のように感情がない柊雅
ここ数年、柊雅の“怒り”以外の感情は見ていない
