藍色の瞳




×理玖side×





「そろそろ気づいてると思うよ?」






いつも通り、会社に向かう途中






車の運転は吉永さんがしてくれている為、助手席に座っている俺は柊雅に声をかけた






「……」






無言で窓の外から視線を動かさない男は俺でさえも何を考えているか分からない






「……怖いのか?」






俺が何気なく言った言葉






それを聞いて柊雅の肩が少し上がったのを俺は見逃さなかった






「確かに今より危険にはなる。
けど柊雅が守ればいい。

若頭なら女1人守れて当然じゃないの?」






「……黙れ」






「っ!!」






静かに響いた一言は、俺の背中に冷や汗を流した






「……柊雅」






俺は信じてるんだ






蜜ちゃんは柊雅を変えてくれるって






「あーしろこーしろって言うわけじゃない。

けど、蜜ちゃんの気持ちも考えてあげて?」






これが俺に言える精一杯だった