「じゃあ私はここで待ってるねぇ~?」
「すぐに済ませてくるからね」
「はぁ〜い」
もうシャワーは浴びてきたと言い、シャワールームへ向かう時田さんを見送る
ザァァァァと水の音が聞こえてきたら私はバスローブを脱ぎ捨てる
その下はもちろん裸ではない
最初から脱ぐつもりはさらさら無い
だって私の目的は“ヤる事”じゃないから
「あったあった。」
さすが社長というか、お財布は札束のせいでパンパンに膨らんでいる
現金で持ち歩いているのは調査済み
ごそっと札束だけ抜き出し、小さいポーチに入れていた封筒に丁寧に入れる
クレジットカードや身分証明書などには手をつけない
ペシャンコになった財布を元あった鞄の内ポケットに戻し、靴を履いてドアへと向かう
全て事が済み時計を見ると、時田さんがシャワールームに入ってまだ2分も経っていない
音を立てないようにドアを開け、口元に薄ら笑みを浮かべると
【~4320~】とプレートに書かれた部屋に背を向け歩き出した。
ねぇ、時田さん。貴方が言ったんだよ?
『那夏ちゃんに全部貢いじゃおっかな~なんて』って………