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「………す……ね」
「……ああ」
「な……ですか?」
「……ん」
硬い…………だけど温かい
人の話し声が微かに聞こえ、ぼやーっとした意識の中瞼を上げるも
………あれ?
視界に広がるのは黒一色
それでも居心地がとても良かったので、半分寝ぼけていた私は目の前の黒くて硬くて温かいものに擦り寄り
ぎゅーーーっ
縋るように抱きしめた
すると、その黒いものはピクリと反応する
どこからか伸びてきたたくましい腕が私の腰と後頭部に回り、大きな手が髪に触れたかと思うと力強く抱き寄せられる
………ん?
腕?手?
「……‼︎」
目の前の硬いものを両手で押し、ガバッと顔を上げると
漆黒の瞳とぶつかった
「………なんだ」
降ってくる低い声
その瞬間さっきまでの記憶が一気に蘇る
「……、いやっ‼︎離してっ‼︎‼︎…〜っ、ここから降ろしてっっ‼︎‼︎」
