同然とする男は金髪だったからか、一瞬新と重なった
……逃げよう
「あ、テメェ‼︎待ちやがれ‼︎」
スルリとチャラ男の脇を通り抜け、人ごみに紛れて走り、なんとか路地裏に入り込む
「…はぁ…はぁ…」
久しぶりに走り、体力がだいぶ落ちていることを実感する
「……だいじょーぶかぁ?」
ポンっと肩を叩かれ驚くも、恐る恐る振り返る
「っっ‼︎‼︎」
……どうやら神様は最後まで私を苦しめたいらしい
「おぉ〜、誰かと思えばあの那夏じゃん
何々、相手でも探してんの〜?」
彼らが手に持っている鉄パイプがカラカラと音を立て、狭い路地裏に煙草の匂いが充満する
「あ!仁、何してたんだよ。もしかしてコイツ、取り逃がしてたのかよ?」
後ろから息を切らせて追いついてきたのはさっきの金髪
そして……目の前にいる柄の悪くて厳つい集団は
仁と呼ばれた男との待ち合わせ場所に向かう途中に見かけた、どこかの暴走族だった
……私の人生終了の鐘が、頭の片隅で鳴ったような気がした
