藍色の瞳




◆◆◆◆◆



『今日の午前中は曇りで少し肌寒くなるでしょう。
お昼を過ぎ、13時くらいからは降水確率が80%となるので出かける時は……』






…………ん
……体が痛い……






いつの間にか眠っていた私はBARのカウンターに突っ伏していたらしく






「痛たたたたたたっ」






身体が変な体勢で固定してしまい、上半身を起こそうとするも痛すぎてすぐには動けない






(……もう歳かな)なんて考えている17歳の私の耳には、ラジオから流れてくる天気予報






『○○地方では数ヶ月ぶりの雷雨となる可能性もあります。』






「雷雨らしいよ?」






余裕で動かせる視線だけ右に向けて言うと、そこにもう新は居なかった






「片桐さんなら1時間ほど前に電話がかかってきて出かけて行ったよ」






穏やかな笑みを浮かべ、そう教えてくれるのはバーテンダーのトウマさん






日付が変わるまで飲んでいたにも関わらず余り喋らなかった新






他に客も居なかったからか、私の話し相手はほとんどこのトウマさんがしてくれていた






……何を話したのかは全く覚えて無いんだけど






「そうですか…」






それよりも…






「すみませんっ
店、閉めた後も私が寝てたせいでトウマさん……」






「いやいや、気にしないで
ここの客が店が閉まった後も飲んでるのは普通だから。
那夏ちゃんみたいに朝までいる人も少なくないよ。」






柔らかい笑顔で「気にしないで」なんて言われた私は






「………すみません」
もう一度謝ることしかできなかった






…少し飲んだら居酒屋に移るつもりだったのに…






まさか私が人の前で寝てたなんて…






新と居たら驚くことが多すぎた気がする