藍色の瞳





未だに固まっている男を無視して足を進めようとすると






「ぶはっ」






「⁉︎」






「くっくっくっく…」






突然吹き出してお腹を抱えながら爆笑し出す金髪






「……何笑ってんの…」






「あ〜、おもしれ」






…なんかさっきまでと違うくない?こいつ…
人の事言えないけど






「“那夏”ってこんな性格なのかよ。ギャップ激しすぎんだろ」






まだ笑いが治らないのかニヤけながらそんな事を言ってくる金髪に






「理想をぶち壊して悪かったわね!」






若干キレながら答えると






「何で?ますます興味持った。
俺の名前、片桐 新(katagiri arata)。連絡しろよ?」






一方的に自己紹介した後、あんなにしつこかったのに手を振りながら笑顔で去っていった






…一体何なんだ…






無駄な時間を取ってしまったと後悔しながらも、さっきの金髪…新には他のナンパ男のような嫌悪感は無かった






そして、不思議な気持ちのまま空を仰いだ私の顔からはサーっと血の気が引いていく







どうしよう……………
部屋の明かりを消したまま出てきてしまった